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【DREAMJOBビジネスマナー講座Ⅱ №44】

第二章 企業取引の法務

第二節 契約の成立

レベル1 「売買契約の成立」

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(前回からの続き)

6.意思表示の合致

契約は申込みと承諾の合致があって成立するのが原則ですが、申込みに対応した承諾がなくても契約が成立する場合があります。
例えば、商法509条では、商人が平常取引をしている者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けた場合、遅滞なくその諾否の通知を発しなければならず、通知を発しなかったときは(何ら返答をしない場合など)契約の申込みに対し承諾したものとみなすと規定されています(諾否通知義務)。商人間の継続的取引では迅速性が求められるところから、このような規定が置かれています。この諾否通知義務に関する規定は、売買取引に限らず、他のタイプの取引にも適用されますが、対話者間(対面している者)での取引には適用されません。
現実にも、企業間の取引では、一般に、注文(申込み)に対して注文請書を発行する(承諾)ことで個別の売買取引が行われますが、一度継続的な取引関係に入った場合、注文(申込み)に対してその都度個別の請書(承諾)を発行することなく商品が納入されることも多くみられます。後者のような処理でも売買契約は成立するのです。
意思表示については、「レベル3 意思表示」で詳細に説明します。

[民法(債権法)等の改正]

契約の成立に関する改正

①契約の原始的不能

契約の原始的不能(契約締結時にすでに契約上の債務の履行が不可能になっていること)の場合について、債権者はその債務の履行を請求することができないと定める一方、その履行不能によって生じた損害につき、債務不履行に基づく損害賠償請求をすることを防げないとの規定が新設されました(改正民法412条の2)。原始的不能である契約の効力に関する改正前の解釈を踏襲しつつ、契約を締結するに至ったことで生じた損害について当事者間の責任に応じた適切な調整を図る趣旨です。

②契約の成立要件

現行民法には規定のない、契約は申込みと承諾が合致したときに成立するという原則に関する規定が設けられました(改正民法522条1項)。

③意思表示の効力発生時期等

現代は通信手段が著しく発達・普及していることから、意思表示は、対話者間・隔地者間を問わず、一般に、その通知が相手方に到達した時からその効力を生じると規定されました(改正民法97条1項)。その上で、今日では取引の迅速等のために例外を設けてまで発信主義を採る必要はないことから、発信主義に関する規定(現行民法526条)は削除され、到達主義に統一されました。
なお、対話者間における契約の申込みについて、従来は商人である対話者間についての特則が設けられていましたが、民法に一般的な規定が設けられたため(改正民法525条2項3項)、商法の特則を定める規定(現行商法507条)は削除されました。

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