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【DREAMJOBビジネスマナー講座Ⅱ №46】

第二章 企業取引の法務

第二節 契約の成立

レベル2 権利・義務の主体

物の売買や物の製作依頼、事務処理の依頼などの取引において売主や買主などの当時者となる者を、権利・義務の主体といいます。
権利・義務の主体には、個人(人)と、個人とは別の独立した地位を持つ法人とがあります。ここでは、権利・義務の主体のうち、個人(人)とその活動について説明し、法人については、「第六章 企業と会社のしくみ」で説明します。

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(前回からの続き)

2.意思能力・行為能力

人には権利能力がありますが、注意しなければならないのは、権利能力があるということは、権利・義務の主体になることが「できる」ということにすぎず、有効な法律行為を行うことができるかどうかとは別問題です。例えば、契約を締結する場合のように、自ら権利を取得し、義務を負担する行為を法律上有効に行うためには、権利能力のほかに意思能力と行為能力が必要です。例えば、生後1ヶ月の嬰児も自然人であるから権利能力はあります(権利義務の主体となることができます)が、嬰児が契約書の内容を理解して契約を結ぶということはあり得ません。この場合、親などの法定代理人を通じて契約を締結することとなります(代理については、「レベル4 代理制度」参照)。
このように、有効な法律行為が行えるか否かは、権利能力とは別に意思能力や行為能力の問題が別途検討されなければなりません。

①意思能力とは

意思能力という概念は、民法には規定されていませんが、自分の行った行為の法的結果を判断することができる精神的能力のことで、この意思能力を持たない者を意思無能力者といいます。意思能力の有無は、個別具体的に判断されます。意思無能力者の例として、重度の精神障害者や泥酔者が挙げられます。また、幼児も意思無能力者であるとされ、意思能力が備わるのは概ね6歳~10歳程度とされています。意思無能力者は、たとえ契約を行っているという意識はあっても、それによって生じる結果(売買契約の場合、物を売るとその物の所有権を失い、その代わりに代金を受け取る権利を取得するということ)までは理解できるわけではありません。
このような意思無能力状態で行った契約などの行為は、無効(法律上効力を生じない)です。泥酔中に不動産の売買契約書に署名・押印しても、その契約は無効であり、買主に不動産を引き渡す必要はないのです。

②行為能力とは

契約締結などの法律行為を単独で有効に行うことができる能力を行為能力といいます。ある人が有効に契約などの行為を行うには、意思能力のほかに、行為能力が必要です。行為「能力」といっても、意思能力とは異なる程度の精神的能力を意味するわけではありません。
行為能力(制度)とは、意思能力のない者やその不十分な者を、一定の年齢または手続によって、画一的に制限行為能力者として定め、制限行為能力者の行為は取り消すことができるとするとともに、保護者を付してその能力の不足を補う制度です。民法では制限行為能力者として未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人が規定されています(民法5条以下・7条以下・11条以下・15条以下)。

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